刀剣乱舞と美術館のコラボ事例|VTuberから広がる応援
刀剣乱舞と足利市立美術館・徳川美術館のコラボ、VTuberの音声ガイド、文化財修理への寄付を紹介。過去の企画と今後の予定を区別し、好きな作品や配信を入口にミュージアムを応援する方法を考えます。
執筆 ペレログ編集部

目次
刀剣乱舞と美術館のコラボは、好きな刀剣男士から実物の刀へ関心を広げる入口になります。2025年の足利市立美術館「山姥切国広展」では、刀の展示に加え、ゲームと連携した町巡り音声ガイドやスタンプラリーが組まれました。展示室とまちを一緒に訪ねる企画です。
ミュージアムへの「推し活」には、コラボ展への来館、VTuberの音声ガイド、グッズ購入、クラウドファンディングがあります。この記事では、刀剣展示と配信者の活動を通して、来館や支援が館の仕事へどうつながるかを見ていきます。紹介する過去の催しは終了済みです。今後の予定は2026年9月9日時点の公式発表に基づきます。
推し活によるミュージアム応援の方法を比較
| 応援の方法 | 主な事例 | 施設に届くもの | 続けるポイント |
|---|---|---|---|
| 作品・ゲームとの企画展 | 刀剣乱舞と刀剣展示 | 来館、入館料、地域への回遊 | 会期後も常設展示を訪ねる |
| VTuber・声優の音声ガイド | 美術館の展覧会解説 | 鑑賞の入口と新しい来館者 | 作品そのものにも時間を使う |
| 水族館・動物園とのコラボ | 生きものと作品の企画 | 入館、物販、発信 | 飼育や保全の背景も知る |
| クラウドファンディング | 国立科学博物館など | 保存・研究費と支援者の参加 | 使途と活動報告を読む |
| 通常来館・寄付・買い物 | コラボのない期間 | 日常の運営収入 | 無理のない頻度で続ける |
ゲームやアニメで知った実物や場所を見に、その所蔵館へ足を運ぶ人がいます。いわゆる聖地めぐりの一つですが、展示ケースの中にあるのは作品世界を支えた実在の刀や文化財です。名前や物語を知ってから本物を見ると、刃文、姿、来歴のどこを確かめたいかが具体的になります。
実在の刀剣を刀剣男士として描く「刀剣乱舞ONLINE」は、美術館や博物館とコラボしてきました。会場でのキャラクター展示だけでなく、解説やまち歩きを組み合わせた事例があります。まず、どの館で何が行われたかを確かめましょう。
刀剣乱舞と美術館・博物館のコラボ事例
足利市立美術館「山姥切国広」
栃木県の足利市立美術館では、2025年2月8日~3月23日に「山姥切国広展」が開かれました。刀工・堀川国広の仕事をたどり、山姥切国広と本作長義に出会う展示です。
足利市の関連プログラムには、刀剣乱舞ONLINEとの町巡り音声ガイドやスタンプラリーのほか、刀剣男士「山姥切国広」を描いた路線バスの一日乗車券がありました。刀の鑑賞会や鉄生産を扱うシンポジウムも開かれ、作品への関心から地域の歴史を知る機会が用意されています。
刀を見たあとに、その刀工や土地の歴史へ進めることがこの事例の見どころです。次に展示を訪ねるときも、コラボ企画とあわせて館や自治体の関連講座を調べると、鑑賞の手がかりが増えます。
外部リンク
足利市|山姥切国広展の関連プログラム
2025年の終了した展覧会と、刀剣乱舞との町巡り企画。
www.city.ashikaga.tochigi.jp / 外部サイトへ移動します
この記事の11施設は「行きたい」に保存できます。訪れたらアプリでスタンプが押せます。
京都国立博物館「京のかたな」
2018年の特別展「京のかたな 匠のわざと雅のこころ」では、京都ゆかりの刀剣が集められました。同館の公式発表によると、11月16日時点で来館者は20万人に達しています。会期は同年11月25日まででした。来館者数は展覧会全体の実績であり、ゲームの影響だけを示す数字ではありません。
外部リンク
京都国立博物館|2018年11月16日の来館者発表
京のかたな展が会期途中で20万人に達した記録。
www.kyohaku.go.jp / 外部サイトへ移動します
徳川美術館
名古屋の徳川美術館は、尾張徳川家に伝わる刀剣を所蔵しています。2025年の夏季特別展「時をかける名刀」では、刀剣乱舞ONLINEとのコラボを実施しました。館はチケットの販売方法に通常と異なる点があることも案内していました。好きな刀の出品期間と入館方法を別々に確かめることが、見たい一振りに会う準備になります。
外部リンク
徳川美術館|2025年の刀剣乱舞コラボ案内
時をかける名刀展との連携と、入館方法の案内。
www.tokugawa-art-museum.jp / 外部サイトへ移動します
VTuberの解説が、鑑賞の入口を増やす
ここ数年で目立ってきたのが、VTuberによるミュージアムの紹介です。 なかでも継続的に関わっているのが、学芸員資格を持つホロライブの儒烏風亭らでんさんです。

外部リンク
儒烏風亭らでん|公式プロフィール
所属タレントの紹介と公式チャンネルへの案内。
hololive.hololivepro.com / 外部サイトへ移動します
箱根ガラスの森美術館
2024年の特別企画展「香りの装い~香水瓶をめぐる軌跡~」で、らでんさんが音声ガイドを担当しました。香水瓶の形や装飾を、声の解説とともに見る企画です。2025年7月18日~2026年1月12日の「軌跡のきらめき~神秘の光彩、ガラスと貝細工~」でも、14作品の無料音声ガイドを担当。会場のQRコードから自分のスマートフォンで聴く方式でした。
外部リンク
箱根ガラスの森美術館|らでん氏の音声ガイド
2025~2026年の企画展、14作品の解説と利用方式。
www.hakone-garasunomori.jp / 外部サイトへ移動します
サントリー美術館とアーティゾン美術館
2025年3月18日には、らでんさんがサントリー美術館の展覧会を紹介する配信を公開しました。題材は「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」です。ガラス作品に詳しい語り手を通して、展覧会の見どころに触れられます。
外部リンク
儒烏風亭らでん|サントリー美術館のガレ展紹介
2025年3月に公開された本人の公式配信。
www.youtube.com / 外部サイトへ移動します
同年5月6日には、角巻わためさんの番組「Have a nice day」で、らでんさんとアーティゾン美術館を巡る動画が公開されました。モネやカンディンスキーの作品を知る入口になる館内紹介です。動画で気になった作品が、訪問日に展示されているとは限らないため、出品情報は館の案内でも確認しましょう。
外部リンク
角巻わため|らでんさんとアーティゾン美術館へ
本人の公式番組による館内紹介動画。
www.youtube.com / 外部サイトへ移動します
水族館や博物館にも広がったコラボ
サンシャイン水族館は2022年9月8日~25日に、雪花ラミィさんとの夜間特別営業「アクアラミィウム」を実施しました。クラゲのパノラマ水槽では、ラミィさんのオリジナル楽曲を使った演出を用意。音声ガイドや限定グッズと組み合わせ、生きものを見る時間に好きな声や音楽を重ねる企画でした。
外部リンク
サンシャインシティ|2022年のアクアラミィウム
夜間特別営業の実施期間と、水槽演出の公式発表。
co.sunshinecity.co.jp / 外部サイトへ移動します
カワスイ 川崎水族館は2024年1月26日から2月25日まで、にじさんじの笹木咲さんとのコラボ「ササスイ」を開催しました。 本人が選んだ魚の展示、コラボグッズ、コラボカフェという構成です。
外部リンク
カワスイ運営会社|ササスイ開催発表
2024年の笹木咲さんとのコラボ内容・会期。
prtimes.jp / 外部サイトへ移動します
出典:「カワスイ チケットカウンター」 by カワスイ 川崎水族館、CC BY 4.0、via かわさき魅力ギャラリー(川崎市)民俗学をテーマに活動するVTuber・諸星めぐるさんは、北海道博物館の学芸員を招いた公開取材を配信しています。展示を紹介するだけでなく、資料を調べて伝える学芸員の話に触れられる形です。
外部リンク
諸星めぐる|北海道博物館の学芸員への公開取材
本人の公式チャンネルに掲載された博物館と民俗学の番組。
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クラウドファンディングで文化財や標本を支える
来館やグッズ購入に加え、文化財の修理や標本の保管へ直接資金を届けた例もあります。
国立科学博物館
国立科学博物館は2023年、標本・資料の収集と保管を支えるクラウドファンディングを実施しました。11月5日に募集を終え、5万6,584人から9億1,602万5,000円が集まりました。2025年3月の終了報告では、標本・資料の取得や収蔵庫の整備などに活用したと説明されています。
外部リンク
国立科学博物館|2025年3月の終了報告
募集後の標本・資料の取得、保管環境整備の使途。
readyfor.jp / 外部サイトへ移動します
獅白ぼたんさんは2024年4月3日の公式配信で、この募集への支援を紹介しました。選んだ返礼は館内への広告掲示です。館内収録はその返礼そのものではなく、本人が紹介動画を作りたいと相談し、休館日に撮影の協力を得たと説明しています。寄付に加えて、好きな館を視聴者へ伝える活動につながった例です。
外部リンク
獅白ぼたん|国立科学博物館への支援と館内紹介
2024年4月3日配信。49分ごろから広告返礼、53分ごろから収録の経緯を説明。
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東京国立博物館
東京国立博物館は2025年10月6日~12月19日に、「源氏物語図屏風」の修理費を募りました。目標3,000万円に対し、3,301人から7,020万円を集めて募集は終了しています。支援先は作品の修理で、最終的な募集額と修理完了は分けて見る必要があります。
外部リンク
東京国立博物館|源氏物語図屏風の修理支援
2025年12月に終了した募集の結果と修理計画。
readyfor.jp / 外部サイトへ移動します
特別展「源氏物語 王朝のかがやき」の公式サイトは、らでんさん自身もこの修理に寄付したと紹介しています。さらに同展のスペシャルサポーターに就任し、音声ガイドの特別なトラックなどで協力する予定です。展覧会は京都国立博物館で2026年10月6日~11月29日、東京国立博物館で2027年1月19日~3月14日に開催予定。寄付から、その文化財の背景を伝える活動へと関わりが続いています。
外部リンク
特別展 源氏物語 王朝のかがやき|公式サイト
2026~2027年の開催予定と、らでんさんの支援・協力。
www.genjiten.jp / 外部サイトへ移動します
「推し」が、本物を見る理由をつくる
刀の展示室で「刃文が美しい」とだけ書かれていても、初めて見る人はどこへ目を向けるか迷います。作品名や物語を先に知っていると、その刀の姿、来歴、ほかの刀との違いを確かめる目的が生まれます。
ゲームやVTuberの紹介は、作品の名前を覚え、最初の疑問を持つ助けになります。山姥切国広への思い入れを入口にしても、展示室では本物の寸法、刃文、保存状態へ関心を広げられます。
寄付を考えるときも、標本をどの環境で保管するのか、屏風のどこを修理するのかといった使途を読むことが大切です。配信やコラボを通じて募集を知ったら、実施主体のページで目的と活動報告を確かめましょう。発信後に支援が増えたとしても、増加分をすべて一人の発信の効果とみなすことはできません。
ミュージアムの保存・研究・教育の仕事は、関連記事でも紹介しています。
コラボ展示を見に行く前に
開催期間、展示替、予約の要否、音声ガイドの料金と利用方法は館ごとに異なります。過去の動画や告知だけで予定を立てず、館の公式サイトで訪問日の情報を確かめてください。音声ガイドを使う場合はイヤホンやスマートフォンの準備も確認しましょう。コラボの作品を知らなくても、実物の名称や来歴を一つ覚えることから鑑賞を始められます。
好きになった入口から、常設展示へ
コラボをきっかけに好きになった実物があれば、次はその館の常設展示や収蔵品を調べてみてください。展覧会図録で来歴を読む、別の季節に訪れる、修理の活動報告を追う。ゲームや配信から始まった関心を、実物と館の仕事へつなげる方法はいくつもあります。
ペレログのWebメディアでは、ミュージアムや応援の取り組みを紹介しています。訪問記録や館スタンプを楽しむアプリは準備中です。まずは気になった館のページや記事から、次に見たい展示を探してみてください。
関連する読みもの
コラボ展示で心に残った実物があれば、次はその館の常設展示や収蔵品を一つ調べてみてください。好きな作品から始まった関心が、文化財を守る仕事までつながります。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
ミュージアム応援アプリ「ペレログ」を運営する、株式会社つなぐるの編集チームです。ペレログ編集部では、取材と公式発表の確認をもとに、来館のきっかけになる情報をまとめています。
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ミュージアムでチェックインすると、訪問がスタンプ帳に刻まれていきます。
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