神奈川の博物館ガイド|小田原の自然史と横浜の歴史を選ぶ
神奈川の博物館を、小田原の生命の星・地球博物館と横浜の県立歴史博物館から紹介。隕石・化石・地域資料の見方、歴史博物館の再開館予定、移動を含めた選び方を解説します。
執筆 ペレログ編集部

目次
神奈川で博物館を探すなら、まず自然史と人の歴史のどちらに関心があるかを考えてみてください。小田原の神奈川県立生命の星・地球博物館では、岩石や化石、生きものの標本から地球と地域の自然をたどれます。横浜の神奈川県立歴史博物館は、出土品や絵画、暮らしの資料などから、かながわの文化と歴史を扱います。
神奈川県立歴史博物館は改修工事で休館しており、2026年10月17日の再開館を予定しています。再開前に訪問する候補としては選べません。以下では、生命の星・地球博物館の見どころと、再開後に訪ねたい歴史博物館の特徴を分けて紹介します。
小田原の自然史と横浜の歴史、二館の違いを知る
生命の星・地球博物館は、地球の成り立ちや生命の多様性を、実物標本を中心に考える場所です。隕石や化石に興味がある人はもちろん、神奈川の山や海がどうできたかを知りたい人にも向いています。大きな標本だけでなく、小さな昆虫や貝も比較して見ると、展示の広がりが分かります。
歴史博物館は、古代から現代・民俗までを扱います。鎌倉の歴史、江戸時代の街道、横浜開港といった関心を、神奈川県域の資料から深める館です。同じ土地を対象にしても、岩石や生物からたどる時間と、人々の活動からたどる時間では、問いの立て方が違います。
二館は小田原と横浜に分かれているため、同じ日の短時間でまとめて見る計画には向きません。箱根・小田原方面へ出かける日と、横浜で過ごす日を分け、各地の一館で見たい展示を選ぶと、資料を比べる余裕を残せます。
生命の星・地球博物館|隕石から地球の成り立ちを考える
生命の星・地球博物館の常設展は、46億年にわたる地球の歴史と生命の多様性を扱っています。恐竜のように大きなものと、豆粒ほどの昆虫が同じ館にあるのは、見た目の迫力を競うためではありません。地球上の物質や生きものの違いを、幅広い大きさで見比べるための入口になります。
「地球を考える」展示では、隕石やクレーターを手がかりに地球の誕生へ近づきます。隕石にも、鉄を主とするもの、石質のもの、鉄と石からなるものがあります。ひとまとめに「宇宙から来た石」と見るだけでなく、表面や断面の違いを表示と合わせて確かめると、分類する意味が見えてきます。
岩石や鉱物の前では、色と形を眺めたあと、でき方に関する説明を読んでみてください。光ってきれいだと感じたものにも、地球の中で起きた変化が関わっています。展示を通して一つの疑問を持ち帰れれば、旅行先で見かける崖や石にも目が向きやすくなります。
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生命の星・地球博物館|常設展の全体案内
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生命の星・地球博物館|地球を考える
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神奈川の自然の展示|山になった土地に海の記録を探す
「神奈川の自然を考える」展示は、県内の地層、岩石、化石などを証拠として、大地の成り立ちを説明します。丹沢がかつて南の海で海底火山として活動していたことも、展示のテーマです。今見えている山の姿だけでは分からない過去を、残された資料から考えられます。
化石を見るときは、生きものの名前に加え、どこで見つかったかにも注目してみましょう。山の中の地層から海の生きものの痕跡が見つかれば、その土地の過去を考える手がかりになります。展示に出てくる地名を一つ選び、いまの地図で位置を確かめると、遠い時代の説明が身近な場所につながります。
子どもと一緒なら、難しい年代を全部覚えるより、「この場所は昔も同じ景色だったのか」という一つの問いで見る方法もあります。大人は先に答えを教えすぎず、何が証拠として展示されているかを一緒に探すと、標本を見る時間を共有できます。
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生命の星・地球博物館|神奈川の自然を考える
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ジャンボブック|標本を集めた人の視点にも出会う
ジャンボブックは、部屋全体を大きな本に見立てた実物の百科図鑑のような展示です。動物、植物、岩石、鉱物、化石などの資料に加え、研究者らから寄贈されたコレクションも紹介されています。大量に並ぶものの中から、形が似た二つを選び、どこが違うかを見比べるだけでも楽しめます。
たとえば酒井コレクションは、カニの分類を研究した酒井恒が集めた資料です。貝類の野村コレクションでは、三浦半島を中心に過去に集められた標本が、当時の海の様子を知る手がかりになります。資料は、長年調べ、集めた人の記録を伴って博物館へ受け継がれています。
一つの珍しい標本に注目する見方に加え、まとまった標本を比べる見方も試してみてください。採集した場所や時期が記録されていれば、過去と現在を比較する研究にもつながります。館内の展示を見たあとに、資料を集めて残す仕事へ関心が広がる場所です。
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生命の星・地球博物館|ジャンボブックとコレクション
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神奈川県立歴史博物館|再開後は建物から歴史を読み始める
神奈川県立歴史博物館は、2026年10月17日に再開館する予定です。改修中は館内展示を見られないため、再開の案内と公開範囲を確認してから訪ねてください。通常の開館時間が載っているページだけで、休館中も入れると判断しないようにしましょう。
同館は、1904年に完成した旧横浜正金銀行本店本館を活用しています。国の重要文化財に指定された建物を保存しながら、博物館として使い続ける場所です。展示を見る前に、かつて銀行だった建物だと知っておくと、近代の横浜の経済と建築を結びつける入口になります。
今回の改修では、エレベーターの更新や展示室照明のLED化などが予定されています。歴史的な建物を残すことと、博物館として利用しやすくすることの両方が、再開に向けた仕事です。外観を鑑賞する場合も、工事中の立入制限や周囲の案内に従ってください。
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神奈川県立歴史博物館|再開館予定と改修内容
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神奈川県立歴史博物館|建物と文化財
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歴史展示では、街道を行く人と開港した横浜を比べる
同館が案内する常設展は、古代、中世、近世、近代、現代・民俗の五つのテーマで構成されています。以下は展示の特徴で、再開後の個々の展示資料や配置を保証するものではありません。展示品は随時入れ替わるため、目当ての資料がある場合は事前に確認してください。
近世のテーマは街道と庶民文化です。東海道や甲州街道を通る人、宿場、名所、村の産物などから、江戸時代の神奈川を考えます。地図や絵を前にしたら、道の名称だけでなく、誰が何のために移動したかに目を向けてみてください。神奈川が通過点であり、旅の目的地でもあったことを考えられます。
近代の展示では横浜開港と近代化を扱います。横浜を題材にした浮世絵や写真などを見る機会があれば、何が新しいものとして描かれたかを比べてみましょう。画像は当時の景色を知る資料であると同時に、描いた人が何へ注目したかを知る資料でもあります。
自然史の館では岩石や化石から過去の環境を推定し、歴史の館では道具や文字、画像から人の活動をたどります。同じ「昔を知る」体験でも、残されている証拠が違う。その違いを意識すると、二館を別の日に訪ねても、一つの関心を続けられます。
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神奈川県立歴史博物館|常設展のテーマ
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神奈川県立歴史博物館|街道と庶民文化
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神奈川県立歴史博物館|横浜開港と近代化
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小田原・横浜それぞれで、無理のない訪問計画を
生命の星・地球博物館は、箱根登山電車の入生田駅から徒歩3分と案内されています。小田原や箱根方面の予定と合わせやすい立地ですが、展示を急いで通り過ぎないよう、先に館で過ごす時間を確保しましょう。休日や雨天時は駐車できない場合があるため、公共交通も候補にしてください。
歴史博物館は横浜の馬車道駅から徒歩1分。再開後の訪問では、展示で気になった建物や場所を周辺の街歩きへつなげられます。二館とも、入館前に常設展と特別展の観覧条件、休館日、最終入館時刻を確認してください。
化石の展示をもっと見たい人、ミュージアムの役割を知りたい人、自宅でも資料を調べたい人には、次の記事も入口になります。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
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