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デジタルアーカイブとは?博物館での活用と文化庁の推進策

作品や標本の画像に、資料名・年代・作者などの情報を添え、探して使える状態で残すデジタルアーカイブ。博物館法、ジャパンサーチ、来館前後の活用を具体例で解説します。

執筆 ペレログ編集部

約6分で読めます公開 更新
デジタルアーカイブとは?博物館での活用と文化庁の推進策
目次

デジタルアーカイブとは、文化的・歴史的な資料をデジタルの記録として整理し、保存や活用につなげる取り組みです。作品や標本の画像に資料名、年代、作者、採集地などを添え、後から探せて、将来も使える状態に整えます。

旅先で見た標本や作品を帰宅後に調べ直せるのは、この記録があるからです。画面の画像と展示室の実物を行き来すると、一度の来館が次の学びへ続きます。

デジタル化した資料に、名前と来歴を添えて残す

ミュージアムには、展示室で見られるものより多くの資料が収蔵されています。 博物館の古文書や美術館の作品が、よく知られた例です。 動物園の飼育記録、水族館の生物写真、植物園の標本も、後世へ残したい記録です。

こうした資料を撮影やスキャンによってデジタル化し、資料名、年代、作者、場所、解説などを付けます。 その情報を検索しやすい形で公開し、データの破損や形式の古さにも備えて管理します。

ジャパンサーチのガイドラインは、デジタルアーカイブを文化的・歴史的な資源の記録を未来へ伝えるものと説明しています。 同時に、教育、研究、観光、地域づくりなどで資料を使うための基盤にも位置づけています。

外部リンク

「デジタルアーカイブ活動」のためのガイドライン

デジタルアーカイブの役割、構築、共有、活用をまとめた公式ガイドライン

jpsearch.go.jp / 外部サイトへ移動します

博物館法に、デジタルでの記録と公開が加わった

2023年4月に施行された改正博物館法では、博物館が行う事業の一つに「博物館資料に係る電磁的記録を作成し、公開すること」が加わりました。 ここでいう電磁的記録には、資料のデジタルアーカイブ化と管理、インターネットでの公開などが含まれます。

ただし、すべてのミュージアムに実施を義務づけた規定ではありません。 文化庁も、デジタルアーカイブが進んでいないことだけで博物館登録を受けられなくなるわけではないと説明しています。

それでも、法律に明記された意味は小さくありません。これからのミュージアムには、資料への多様なアクセスを確保し、市民の学びや創作へ開く役割があると示されたからです。

外部リンク

文化庁「博物館法とは」

改正博物館法で列挙された博物館の事業を紹介する公式ページ

museum.bunka.go.jp / 外部サイトへ移動します

外部リンク

文化庁「よくある質問」

デジタルアーカイブと博物館登録の関係を説明する公式FAQ

museum.bunka.go.jp / 外部サイトへ移動します

博物館DXは、資料の届け方まで変える

文化庁は、デジタル化を進める館への支援や「ミュージアムDX実践ガイド」の公開を続けています。 2026年度のInnovate MUSEUM事業でも、博物館収蔵資料デジタルアーカイブ推進体制構築事業が設けられました。

博物館DXは、紙の台帳をパソコンへ移す作業だけを指しません。資料を公開し、教育や地域で使える形に整え、人とミュージアムの接点を増やす取り組みです。

たとえば、過去の企画展を自宅で振り返れるようにすれば、一度の来館が次の学びへ続きます。 学校の授業で地域資料を使ったり、旅行前に見たい資料を探したりすることもできます。

外部リンク

文化庁「ミュージアムDX実践ガイド」

初めてDXに取り組むミュージアム向けの文化庁公式ガイド

museum.bunka.go.jp / 外部サイトへ移動します

外部リンク

文化庁:令和8年度Innovate MUSEUM事業

2026年度のデジタルアーカイブ推進体制構築事業などを確認できます。募集期間は当該案内を参照してください。

museum.bunka.go.jp / 外部サイトへ移動します

ジャパンサーチとの違いは、複数のアーカイブを探す入口であること

館ごとに公開された資料を、分野を越えて探せるようにする仕組みが「ジャパンサーチ」です。 書籍、公文書、文化財、美術、自然史、放送番組、映画などの情報を横断して検索できます。

資料名、年代、作者、所蔵館、元ページのURLなど、資料を説明する情報を「メタデータ」と呼びます。ジャパンサーチは複数機関のメタデータをまとめて検索し、各館の詳しい公開ページへ案内します。

利用者は一つの入口から検索し、気になる資料を見つけたら、所蔵館などが公開する元のページへ進めます。 館ごとに分かれていた情報がつながることで、知らなかった資料やミュージアムとの出会いが生まれます。

外部リンク

ジャパンサーチの概要

国立国会図書館が運用する分野横断型プラットフォームの公式説明

jpsearch.go.jp / 外部サイトへ移動します

画面で見つけ、展示室で確かめる

デジタルアーカイブがあると、来館前に公開資料を調べ、自分の興味に合う施設を探せます。展示室で何を見るかを決める下調べにも使えます。

来館後は、気になった資料の解説を読み直せます。子どもと見た標本を自由研究の入口にしたり、旅先で知った地域の歴史を家族へ伝えたりできます。

画像で見つけた資料が、現在展示されているとは限りません。来館前には所蔵館の展示案内を確かめましょう。画面では伝わりにくい大きさや材質、光の当たり方を実物で見ると、記録との違いにも気づきます。遠方の人や外出が難しい人には、画面から資料を知る入口になります。

収蔵庫の資料にも、見つかる入口をつくる

展示室の広さには限りがあり、収蔵資料のすべてを一度に並べられません。デジタルアーカイブなら、展示の機会が少ない資料や、終了した企画展の記録にも出会えます。

動物園や水族館では、過去に暮らしていた個体の写真、飼育や繁殖の記録も大切な資料です。 植物園なら、季節を過ぎた植物や標本を紹介できます。

ただし、公開には地道な準備が要ります。 資料の撮影、説明情報の整理、著作権や肖像権の確認、公開後の更新を、限られた人数で続けなければなりません。

そのため、最初から全資料を対象にする必要はありません。 館を代表する資料や過去の人気企画、地域との関わりが深い資料など、小さなまとまりから始める方法があります。

公開しただけでは、資料は見つからない

公開ページを作っても、資料名や背景が検索され、記事やSNSから見つけてもらえなければ、読者には届きません。公開後の発信と、所蔵館へ足を運ぶ導線まで考える必要があります。

ペレログは、ミュージアムの施設情報と記事を通じて、訪れる人との接点をつくっています。訪問を記録して館スタンプを集めるアプリは準備中です。

運営会社の株式会社つなぐるでは、施設ごとのデジタルアーカイブ支援も案内しています。資料を何のために公開するかの整理から、撮影、説明情報、公開ページの制作までを、既存の台帳や管理システムを踏まえて支援する内容です。対象や進め方は施設ごとに相談し、費用は個別見積りとなります。

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一件の資料から、次の来館が始まる

次にミュージアムを訪れたら、作品や標本の名前を一つ控え、帰宅後に公開記録を探してみてください。展示室では短くしか読めなかった来歴や、関連する資料へたどれることがあります。

施設の方には、デジタルアーカイブを含む公開や発信の課題をご相談いただけます。何を記録し、誰に届けたいか、どの範囲を公開できるかを整理するところから、施設向け案内をご確認ください。

この記事を書いた人

ペレログ編集部

ミュージアム応援アプリ「ペレログ」を運営する、株式会社つなぐるの編集チームです。ペレログ編集部では、取材と公式発表の確認をもとに、来館のきっかけになる情報をまとめています。

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