約200年を越えて日本へ。「ブロムホフ家族図」を修復し、初公開するために
川原慶賀の未公開作「ブロムホフ家族図」を日本で修復する計画。募集終了後の結果と資金の使途、衣服や表情に残る日蘭交流、ハウステンボス美術館での公開予定を紹介します。
執筆 ペレログ編集部

目次
約200年前、江戸時代の長崎・出島で川原慶賀が描いた「ブロムホフ家族図」。人物の衣服や持ち物まで描き込まれた未公開作品を日本へ運び、修復して初公開する計画が進んでいます。
衣服や持ち物が、出島の日蘭交流を語る
描かれているのは、オランダ商館長ヤン・コック・ブロムホフとその家族です。まず見たいのは人物の表情、衣服、身の回りの品。肖像画であると同時に、当時の日本とヨーロッパの交流を読み取れる資料です。
今回の修復対象は、オランダ国立世界文化博物館が所蔵する作品です。同じ構図の家族図は複数伝わっているため、「ブロムホフ家族図」という名前だけでほかの作品と混同しないようにしたいところです。ハウステンボスの展覧会案内では、この一枚を世界初公開する予定としています。
作品を見る前に、運ぶ・調べる・直す仕事がある
実行者の堀内議司男さんは、作品の画面や額装に経年劣化が見られ、日本で修復する必要があると説明しています。海外で保存されていた絵を展示するには、運ぶ費用だけでなく、状態を調べて修復し、公開できるよう整える費用もかかります。
募集ページに示された使途は、オランダと日本の往復輸送、日本国内の輸送、修復、関連する人件費や返礼品の費用などです。集まった金額のすべてが修復作業だけに使われるわけではなく、日本での公開までを支える事業として組み立てられています。
修復で残すのは、描かれた時間
作品の表情や衣服の描写を次の世代も見られるようにするには、劣化の状態を調べ、残すべき表現を守りながら手を入れる必要があります。「ブロムホフ家族図」の修復は、出島の日蘭交流を伝える手がかりを残す仕事です。修復前後の変化や処置の内容は、今後の報告で注目したい点です。
修復後はハウステンボス美術館で公開予定
作品は、ハウステンボス美術館(パレス ハウステンボス内)の「OTEMAE~ブロムホフ 茶道を愛した異邦人~」で公開される予定です。会期は2026年11月13日~2027年2月21日。2027年1月12日~15日はハウステンボスの休園に伴い休館します。
展覧会では、ブロムホフが持ち帰った茶道具のコレクションも紹介されます。肖像画で家族の姿を見てから、彼が日本で集めた道具へ進むと、一人の商館長と茶の湯との関わりを別の角度からたどれます。
外部リンク
「OTEMAE~ブロムホフ 茶道を愛した異邦人~」公式案内
会期、休館日、作品と茶道具の見どころを確認できます
www.huistenbosch.co.jp / 外部サイトへ移動します
この記事の1施設は「行きたい」に保存できます。訪れたらアプリでスタンプが押せます。

外部リンク
日蘭交流の記憶――川原慶賀筆「ブロムホフ家族図」修復プロジェクト
2026年8月31日に募集終了。募集結果と活動報告を掲載
camp-fire.jp / 外部サイトへ移動します
支援の先に、修復後の一作を見る日がある
クラウドファンディングは2026年8月31日に終了しました。目標700万円に対し、120人から344万2,500円が集まっています。目標額に届かなくても資金を受け取るAll-In方式で、募集終了と修復完了は同じ意味ではありません。作品の輸送や修復、展示準備の進捗は、実行者の活動報告と会場の案内で確認できます。
受付が終わったあとも、資金がどの工程に使われ、どのような状態で作品が公開されるのかを追うことができます。募集結果を知るところから、修復後の一作を見る日まで。文化財を支える仕事に関心を持ち続けるための記録です。
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この記事を書いた人
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