愛知のやきものを見に行く|陶磁美術館とノリタケで、器の形と作る技術を知る
愛知県陶磁美術館のコレクション展と、ノリタケの森の製造工程・オールドノリタケを紹介。器の形と文様の見方、作陶体験の予約や作品の受取りまでを案内します。
執筆 ペレログ編集部

目次
いつも使うカップにも、口の広さ、取っ手の形、底の厚み、模様の配置があります。その違いを美術館で確かめると、器を「高価かどうか」「有名な作家かどうか」だけで見なくてよくなります。愛知県陶磁美術館とノリタケの森では、やきものを作品として眺める時間と、作る工程を知る時間を組み合わせられます。
世界各地のやきものを広く見比べたいなら瀬戸市の愛知県陶磁美術館へ。ボーンチャイナの製造と食器のデザインを見るなら名古屋市のノリタケの森へ。二館の違いを、展示の内容から紹介します。
愛知県陶磁美術館|産地と時代を越えて、同じ形を探す
愛陶コレクション展「世界はやきものでできている」は、日本、中国、世界各地のやきものを紹介する展示です。2026年度の第2期は5月23日〜12月20日、本館2階で開催する案内があります。展示替えや貸出によって作品は変わるため、紹介ページの写真がすべて当日に見られるとは限りません。
作品紹介に挙げられている瀬戸の「灰釉牡丹文瓶子」や景徳鎮窯の「青花芙蓉手盤」などは、形と表面の装飾を比べる入口になります。瓶なら胴から肩、首へつながる輪郭を、皿なら見込みと縁の区切りを見てみましょう。文様がどこに置かれているかに目を向けると、器の形と絵が別々ではなく、一体で考えられていることに気づけます。
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愛知県陶磁美術館|愛陶コレクション展
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産地の違いを知りたいときも、一度にすべて覚える必要はありません。同じ皿の形を二点選び、時代と産地をラベルで確かめてから、色、文様、縁の形を比べます。「こちらのほうが好き」と感じたら、その理由を一つ言葉にしてみてください。絵が細かいからなのか、余白が広いからなのか。自分の好みを具体的な特徴へ結びつけると、鑑賞が進みます。
陶芸体験は、展示のあとに試す時間を確保
館の陶芸体験では、粘土から形を作る作陶と、素焼きの皿やカップへの絵付けを選べます。作陶は手まわしロクロを使い、電動ロクロは経験者に限られます。初めての人が旅行先で電動ロクロを体験できると決めつけず、申し込むコースの内容を確認してください。
公式案内の制作時間の目安は2時間です。一般の白土1キログラムを使った2時間の作陶は、実習室利用料・焼成料・材料費の合計例が1,000円。作品は当日持ち帰るのではなく、約1か月後から2か月目までの間に引き取る案内です。遠方から訪れる場合は郵送の相談も含めて、予約前に受取り方法を確認します。
外部リンク
愛知県陶磁美術館|体験コース・予約・作品の受取り
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展示を見る前に体験するなら、作って難しかった場所を鑑賞時に探せます。展示を先に見るなら、気になった器の輪郭や模様を記憶して、自分の制作へつなげられます。どちらの順でも、体験の予約時刻を中心に予定を組み、展示室を急いで通り過ぎる計画にしないことが大切です。
ノリタケの森|工場とミュージアムを上の階までたどる
ノリタケの森のクラフトセンターは、ボーンチャイナの製造工場です。1階で生地の製造工程、2階で絵付けの工程を紹介し、その上の3・4階にノリタケミュージアムがあります。できあがった器だけでなく、形や絵がどう作られるかを同じ建物でたどれる構成です。
工程を見るときは、一つの形がどの段階で現れるかを追ってみましょう。器の輪郭を作る作業と、表面に絵や色を加える作業を分けると、完成品を見直したときに視点が増えます。作業の実施状況は来館日によって異なる場合があるため、見たい実演がある人は事前に確認してください。
外部リンク
ノリタケの森|クラフトセンター・ミュージアム
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デザイン画と器、同じ模様を違う面で見る
ミュージアムでは、明治から昭和初期の「オールドノリタケ」や、デザイン画である画帖が紹介されています。3階は食器と時代背景、4階はオールドノリタケや画帖を中心とする構成です。平面の図案と、曲面を持つ器を見比べると、絵をどこに配置するかというデザインの仕事に注目できます。
花の模様なら、花そのものの描き方だけでなく、取っ手の近くや器の縁で模様がどう収まるかを見てみてください。カップと受け皿では、見る方向も使う場面も違います。同じシリーズのように見えるものが並ぶときは、共通する線や色を探すことで、食卓全体を考えたデザインに近づけます。
クラフトセンター・ミュージアムは共通入館料で、通常は大人500円、65歳以上300円、高校生以下無料です。開館は10〜17時、月曜を基本に休館し、祝日の場合は翌平日となります。ノリタケの森の敷地への立入りと、有料施設の入館を分けて計画してください。
買い物の前に、気になった形を記録する
やきものの展示を見たあとで、器を選ぶ基準が変わることがあります。色だけでなく、飲み口や持ち手、皿の縁を気にするようになるかもしれません。展示品は触れないものが基本ですが、鑑賞で見つけた問いを、普段使う器で確かめることはできます。
瀬戸の陶磁美術館と名古屋のノリタケの森を同日に組むなら、移動に加え、体験の制作時間を別枠にします。作品を見る日と作る日を分けても構いません。まずは自宅でよく使う器を一つ思い浮かべ、その形に近い展示品を探しに行くと、専門知識がなくても具体的な目的を持てます。
所蔵品展を楽しむ方法や、作品を守り公開する仕組みについては、次の記事も参考になります。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
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