ケープペンギンはなぜ絶滅危惧種に?サンシャイン水族館とShoeZの保全支援
ケープペンギンは2024年に絶滅の危険度が最も高いCRに分類されました。減少の背景と、サンシャイン水族館・ShoeZが南アフリカの海鳥救護を支えるクラウドファンディングの使途をたどります。
執筆 ペレログ編集部

目次
池袋のビル群を背景に、ケープペンギンが頭上を飛ぶように泳ぐ「天空のペンギン」。サンシャイン水族館を代表するこの展示は、南アフリカの野生個体が直面する危機へ目を向ける入口にもなります。
ケープペンギンは、2024年にIUCNレッドリストで絶滅危惧カテゴリーの最も危険度が高いCRに分類されました。気候変動による餌の分布の変化と漁業との競合などが、野生での繁殖と生存を難しくしています。
2026年9月9日現在、保全教育に取り組む団体ShoeZ(シューズ)とサンシャイン水族館は、南アフリカで海鳥を救護するSANCCOB(南アフリカ沿岸鳥類保護財団)への支援を募っています。クラウドファンディングの募集は9月30日23時までです。
外部リンク
野生のケープペンギンをサンシャイン水族館と共に守る
ShoeZによるREADYFORのクラウドファンディング。募集は2026年9月30日23時まで
readyfor.jp / 外部サイトへ移動します
同じ種を水族館で観察することと、遠い生息地で命を守ることは、保全教育と支援を通してつながっています。
「天空のペンギン」と同じ種が、野生では1万組未満に
ケープペンギンは、南アフリカやナミビア沿岸に暮らすペンギンです。サンシャイン水族館では「天空のペンギン」などで、足や翼を使って泳ぐ姿を観察できます。
野生の個体数は急速に減っています。2024年、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで、ケープペンギンは絶滅危惧カテゴリーのうち最も危機の度合いが高い「深刻な危機(CR)」に引き上げられました。野生絶滅の一歩手前にあたる区分です。
SANCCOBが2024年10月に公表した説明では、世界に残る繁殖つがいは1万組未満です。状況が改善しなければ、およそ10年余りで野生から姿を消す可能性があると警告しています。これは保全策によって変わり得る予測で、絶滅する年が決まったという意味ではありません。
ケープペンギンが減る理由は、餌不足と生息環境の変化
減少の原因は一つではありません。餌場の変化、巣を壊す大雨、漁業、海洋汚染などが重なっています。
海水温の上昇などによって、主な餌であるイワシやカタクチイワシの分布が変化しました。親鳥が営巣地から遠くまで餌を探しに行かなければならず、ヒナのもとへ戻るまでに時間がかかります。嵐や大雨による巣の被害、漁業による餌資源への影響、海洋汚染や過去の重油流出事故も、個体数の減少に重なってきました。
こうした変化は、漁業やエネルギー利用を含む私たちの暮らしともつながっています。展示で知った一羽を、生息地の環境まで考えるきっかけにできます。
観察を、野生の海へつなぐ
ShoeZは、動物園や水族館で、生き物の観察を通じて自然環境とのつながりを考える保全教育を行う団体です。サンシャイン水族館とは2019年から協働し、ケープペンギンについては2021年から「世界ペンギンの日」に合わせたイベントなどを続けてきました。
これまで、オリジナルグッズの売上などを通してSANCCOBへ届けた寄付は、総額約146万円。生き物の体や行動を知ることから始まり、その生き物が暮らす環境へ関心を広げ、現地の保全活動を支える。水族館での体験を、一度きりの「かわいい」で終わらせない取り組みです。
水族館は、飼育や繁殖の知見を蓄え、野生で起きている問題を来館者へ伝えます。生きものを展示する仕事と、生息地を守る活動が一続きになっています。
目の前の一羽を好きになったことが、その種全体の未来を考える入口になる。そこに、水族館で生き物と出会う大きな意味があります。
外部リンク
サンシャイン水族館「天空のペンギン」
ケープペンギンが空を飛ぶように泳ぐ常設展示の公式案内
sunshinecity.jp / 外部サイトへ移動します
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支援金は南アフリカの海鳥救護へ
今回のクラウドファンディングで集まった支援金は、SANCCOBへの寄付に充てられます。
主な使い道は、ペンギンの保護施設の維持、保護されたペンギンや海鳥の餌代・薬代、新しいICU・手術室・ヒナ飼育ユニットの建設です。
SANCCOBでは、傷ついた海鳥や親を失ったヒナを保護し、治療やリハビリを経て野生へ戻す活動を続けています。新しい治療・飼育設備は、救護された海鳥の生存率を高め、大規模な災害が発生した際の対応力を整えるためのものです。
プロジェクトの目標金額は500万円。目標金額に届かなかった場合も、集まった金額に応じて活動を実施するAll in方式で、支援募集は2026年9月30日(水)23時までです。
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野生のケープペンギンをサンシャイン水族館と共に守る
ShoeZによるREADYFORのクラウドファンディング。募集は2026年9月30日23時まで
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寄付、共有、観察。できる応援を選ぶ
クラウドファンディングへの参加、家族や友人への共有、水族館での解説の確認、生息地で起きている変化を知ること。金額を伴わない行動も、関心を広げます。
「天空のペンギン」を見るときは、泳ぎ方や個体差と一緒に、南アフリカの海で減っている同じ種の状況も確かめたいところです。水族館で得た関心を、野生の仲間を守る活動へつなげられます。
一羽を知ることから、海の未来へ
一羽の姿や行動を知り、同じ種が野生で置かれている状況へ視野を広げる。今回のプロジェクトは、水族館で生まれた関心をSANCCOBの救護活動へ届ける道を示しています。
募集ページでは、支援金の使い道、活動報告、選べる返礼品を確認できます。返礼品には個別の申込期限や定員があるため、募集終了前でも受付が終わっている場合があります。参加時は対象コースの条件を確かめてください。
外部リンク
African Penguin newly classified as critically endangered
SANCCOBによるケープペンギンの危機と保全課題の解説(英語)
sanccob.co.za / 外部サイトへ移動します
この記事を書いた人
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