水族館のクラウドファンディング事例|魚津・桂浜の支援とその後
魚津水族館の設備修繕と、桂浜水族館のカワウソ舎新設を支えたクラウドファンディング。終了した2事例の支援額・使い道・進捗報告から、今後の応援先を選ぶ視点をたどります。
執筆 ペレログ編集部

目次
「古くてボロいが日本一!」。弱みまで包み隠さず掲げた呼びかけに、全国から1,397人の思いが集まりました。富山県魚津市の魚津水族館を修繕するためのクラウドファンディングです。
魚津水族館と高知県の桂浜水族館は、設備修繕やカワウソ舎の建て替えのために支援を募りました。どちらも募集は終了しています。二つの事例から、寄付の使い道と、募集後に確かめたい報告をたどります。
魚津水族館|古さを開示し、修繕費を集めた
魚津水族館は1913年に開館した、現存する日本最古の水族館です。現在の建物は1981年開館の3代目。富山湾の生きものを中心に紹介し、地域の遠足先としても親しまれてきました。
開館から40年以上がたち、設備の更新や修繕が大きな課題になりました。そこで魚津市は、ふるさと納税の仕組みを使うガバメントクラウドファンディングを実施しました。
この記事の2施設は「行きたい」に保存できます。訪れたらアプリでスタンプが押せます。
目標2,000万円に対し、達成率180.6%
2024年11月1日から2025年1月30日までの91日間で、1,397人から3,613万540円が寄せられました。目標は2,000万円。募集ページには老朽化した設備の写真と修繕項目が並び、支援の目的を具体的に確かめられます。
修繕で残すのは、水槽と地域の観察記録
魚津市が示した使い道は、富山湾大水槽のシーリング補修と熱交換器の更新、深海生物水槽の防水補修、海水送水ポンプなどの更新です。来館者から見えにくい設備も、魚が暮らす水質や水温を保つために働いています。
寄付額と工事の完了は分けて見る必要があります。募集ページでは予定された使い道を確認し、進捗情報では実際に整備された箇所を確かめます。支援後にどの設備が直り、どの作業が続いているかまで追うと、館が抱える課題も見えてきます。
外部リンク
魚津市:水族館の修繕を支えた募集結果と進捗
2025年1月30日に受付終了。寄付金額、支援人数、修繕の使い道と進捗情報を確認できます。
www.furusato-tax.jp / 外部サイトへ移動します
桂浜水族館|支援者が完成まで見届けた
桂浜水族館は1931年開館の民営水族館です。高知市の桂浜に立ち、飼育員の日常やマスコットキャラクター「おとどちゃん」を生かした、親しみのある発信でも知られています。
2023年には、老朽化したカワウソ舎を建て替えるため、「カワウソ舎、なんか変えるで大作戦!!!!」を実施。目標800万円に対し、968人から1,079万9,590円が集まりました。
支援を受けて整備された新しいカワウソ舎は、2025年1月2日に一般公開されました。桂浜水族館は1月7日の活動報告で、2024年12月末の工事終了から公開までを伝えています。支援者が寄付の行き先を確かめられる報告です。
外部リンク
桂浜水族館:新カワウソ舎、ついに公開
2025年1月7日の活動報告。募集結果と1月2日の一般公開を確認できます。
readyfor.jp / 外部サイトへ移動します
工事と公開後まで伝える
クラウドファンディングでは、募集後の進捗も判断材料です。工事、新しい環境に慣れる生きもの、公開日の様子が発信されれば、支援者は参加が生んだ変化を確かめられます。再訪のきっかけにもなります。
水槽は24時間止められない
水槽は24時間止められません。ポンプやろ過装置、水温管理を動かし続け、餌、獣医療、海水の管理、建物の塩害対策にも継続して費用がかかります。来館者が少ない日も、生きものの暮らしは続きます。
日々の運営費と大規模な設備更新を、入館料だけで同時にまかなうのは簡単ではありません。クラウドファンディングは更新費を補い、施設を知る人を増やす役割も果たします。
魚津・桂浜を含む、動物園・水族館の支援事例をまとめて比べたい方は、次の記事もご覧ください。
応援を続ける方法
- 施設を訪れ、入館料を支払う
- 年間パスポートを購入して繰り返し訪れる
- 館内やオンラインショップでグッズを買う
- 寄付やクラウドファンディングに無理のない範囲で参加する
- 展示の感想や施設の魅力をSNSや口コミで伝える
ふるさと納税型の寄付は控除の対象になる場合がありますが、条件や上限額は人によって異なります。申し込む前に、自治体と募集ページの最新案内を確認しましょう。
訪問を支援につなげる見方
- 公式サイトで開館日と展示休止を確認する
- 解説を読み、地域の海や川とのつながりを見る
- 館内で気に入った展示や生きものを一つ記録する
- 写真を投稿するときは撮影・公開ルールを守る
旅程に一館を組み込み、解説を読み、館内で気になった生きものを一つ記録する。大きな金額を使わなくても、入館料や買い物、正確な感想の共有を重ねれば、施設が地域に必要とされていることを伝えられます。
ほかの支援事例や募集を探すときは、まとめ記事の掲載時点と、各プロジェクトの現在の受付状況を合わせて確認してください。
寄付の後に残るのは、館との関係
魚津では1,397人、桂浜では968人が参加し、修繕や新しいカワウソ舎へ資金が届きました。募集額だけでなく、完成後の施設を訪れ、変化を確かめるところまで支援は続きます。
ペレログでは、記事と施設情報から気になるミュージアムを探せます。魚津と桂浜の事例を手がかりに、設備の状態や飼育の仕事にも目を向けてみてください。
水族館と保全教育団体が野生のペンギンを守る、別の応援の形も紹介しています。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
ミュージアム応援アプリ「ペレログ」を運営する、株式会社つなぐるの編集チームです。ペレログ編集部では、取材と公式発表の確認をもとに、来館のきっかけになる情報をまとめています。
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