日本三大庭園とは?兼六園・後楽園・偕楽園の場所と見どころ
日本三大庭園(日本三名園)は、金沢の兼六園、岡山の後楽園、水戸の偕楽園です。3園の場所と読み方、歴史、見どころを比べ、料金・開園時間・アクセスを整理しました。噴水、茶畑、石碑や庭師の手仕事から、庭を野外博物館として歩く楽しみも伝えます。
執筆 ペレログ編集部

目次
日本三大庭園は、石川県金沢市の兼六園、岡山県岡山市の後楽園、茨城県水戸市の偕楽園です。「日本三名園(にほんさんめいえん)」とも呼ばれています。
兼六園では池との高低差で上がる噴水、後楽園では藩主が飲む茶の葉を育てた茶畑、偕楽園では庭を開いた理由を記す石碑に出会えます。庭を野外博物館として歩くと、景色の中に歴史や技術が見えてきます。まずは3園の場所と特徴を比べてみましょう。
日本三大庭園の場所・読み方と、3園の見どころ
- 兼六園(けんろくえん)|石川県金沢市。霞ヶ池と噴水、唐崎松の雪吊りに、地形や樹木を生かす技術を見る。
- 岡山後楽園(おかやまこうらくえん)|岡山県岡山市。広い芝生の先にある田畑や、水路が通る建物「流店」から、藩主の暮らしをたどる。
- 偕楽園(かいらくえん)|茨城県水戸市。梅林、竹林、好文亭や千波湖の眺めを通じて、学びと休息を重んじた庭の構成を知る。
行き先を選ぶなら、庭を造る仕組みに関心がある人は兼六園、建物と暮らしの歴史を知りたい人は後楽園、梅や木陰から開けた眺めへの変化を楽しみたい人は偕楽園が候補になります。
栗林公園は日本三大庭園に含まれる?
香川県高松市の栗林公園(りつりんこうえん)は、一般に日本三名園と呼ばれる3園には含まれません。ただし、香川県観光協会の公式案内は、明治末の教科書で栗林公園の木や石の趣が三名園と比較されていたことを伝えています。三名園という呼び名と、個々の庭園の評価は分けて捉えるとよいでしょう。
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香川県観光協会・栗林公園と日本三名園の記述
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兼六園の見どころ|金沢で水と高低差の技術を見る
石川県金沢市の兼六園は、加賀藩の歴代藩主が長い年月をかけて整えた庭です。1676年に前田綱紀が別荘の周囲を庭園化したことが始まりとされ、その後も池の拡張や建物の移転が重ねられました。現在の景観には、何代もの藩主の選択が積み重なっています。
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兼六園の歴史
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名前の由来は、優れた景観の六つの性質を兼ねること。広がりと奥深さ、人の手による造形と年月を感じる趣、水の景色と遠くへの眺めです。相反しやすい性質を一つの庭に収める工夫を知ると、明るい池のほとりから木々に囲まれた道へ移る変化も見どころになります。
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兼六園の名に込めた六勝
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霞ヶ池(かすみがいけ)の周辺を歩いたら、噴水にも目を向けてみてください。噴水より高い位置にある霞ヶ池が水源で、水面との高低差が水を押し上げる力になります。水がどこから来て、どちらへ流れるのかを園内図と照らし合わせると、池や流れを配置する技術をたどれます。
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石川県・兼六園の水景と噴水
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石川県観光連盟・兼六園の噴水と園内の見どころ
www.hot-ishikawa.jp / 外部サイトへ移動します
冬の雪吊りも、庭を守る技術が景色になったものです。柱から張る縄は、雪の重みで枝が折れるのを防ぎます。唐崎松(からさきのまつ)の枝ぶりを見た後なら、どの枝をどちらから支えるのかにも関心が向きます。石川県は、秋に松の葉を間引き、枝の奥まで光が届くよう整える仕事も伝えています。園内の雪吊りがそろう12月中旬から3月中旬頃が、冬の景観を楽しむ目安です。
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石川県公式・雪吊りを支える庭師の仕事
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岡山後楽園の見どころ|芝生の先に暮らしと農の記憶がある
岡山市の後楽園は、岡山藩主・池田綱政が家臣の津田永忠に命じ、1687年に着工した庭です。1700年に一応の完成を見た後も、歴代藩主が手を加えました。今は広い芝生が印象的ですが、築庭当初は田畑が大きな面積を占めていたと、公式の歴史解説に記されています。
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後楽園の歴史と景観の変遷
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園内の田「井田(せいでん)」は、その名残です。近くの茶畑も築庭当初から同じ場所にあります。ここで採れた茶は、江戸時代には藩主が日常的に飲んでいました。田や茶の木まで見て歩くと、庭が鑑賞の場であると同時に、生産や暮らしとも結びついていたことが分かります。
水のある建物を見たいなら「流店(りゅうてん)」へ。建物の中央を水路が通り、六つの石が置かれています。藩主や客が休むための建物で、戦災を免れたものの一つです。水路と人の座る場所の距離に注目すると、水を身近に感じながら休むための工夫が分かります。
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後楽園のみどころ・井田、茶畑、流店
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沢の池や、土を盛ってつくった山「唯心山(ゆいしんざん)」も、庭の変化を読む手がかりです。唯心山は綱政の次代に築かれ、平面的だった庭に高さが加わりました。藩主の居間だった延養亭は、通常は内部非公開です。建物の中からの眺めを体験したい場合は、特別公開の案内を確かめてください。
後楽園は1934年の水害と1945年の戦災を受け、江戸時代の絵図などを手がかりに復旧しました。古い庭の姿が今も見られるのは、図面や記録を受け継いできたからでもあります。春の桜や秋の紅葉を楽しめる二色が岡も、絵図を参考に山桜や楓を植えて景観の再生が進められた場所です。季節の風景にも、資料を読み直す仕事がつながっています。
偕楽園の見どころ|水戸の梅林と、学び・休息のための庭
茨城県水戸市の偕楽園は、水戸藩第9代藩主・徳川斉昭が1842年に開いた庭です。斉昭は、藩校の弘道館で文武を学び、偕楽園で心身を休めるという、一対の教育施設を構想しました。学ぶ時間と余暇を楽しむ時間の両方を重んじた場所です。
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偕楽園の歴史・学びと休息の思想
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梅の季節を選ぶなら、花の色と咲く時期の違いに注目してください。偕楽園には約100品種・3,000本の梅があり、早咲きから遅咲きまで時期をずらして開花します。見頃は品種やその年の気象条件で変わるため、訪問日が近づいたら公式の開花情報を確かめましょう。
梅以外の季節にも、園路の構成を楽しめます。表門から入り、竹林や大杉森を通って好文亭(こうぶんてい)の方へ向かうと、木々に囲まれた空間から開けた眺めへと移ります。公式案内が「陰と陽」と呼ぶ構成です。歩く順序によって景色の印象が変わります。
石に刻まれた言葉からも、この庭の考え方をたどれます。「偕楽園記碑」には庭を開いた意義が記され、裏面には入園の心得が六か条刻まれています。人々と楽しみを分かち合う理念と、共に使うための決まりが同じ石碑に残っています。
千波湖を望む「仙奕台(せんえきだい)」には、石造りの碁盤や将棋盤があります。景色の前で人が何をして過ごしたかを示す、具体的な手がかりです。見渡す先の湖まで含めて眺めると、庭の外の風景を取り込む「借景(しゃっけい)」という工夫も分かりやすくなります。
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偕楽園の表門・記碑・仙奕台
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日本三大庭園の料金・開園時間・アクセス
以下は2026年9月9日に公式サイトで確認した通常の個人料金と開園時間です。庭と建物では開く時間や料金が異なります。年齢区分、無料条件、夜間開園などの変更は、各園の利用案内で確認してください。交通の所要時間は目安です。
兼六園は金沢駅からバスで桂坂口へ
大人(18歳以上)は320円。3月1日〜10月15日は7時〜18時、10月16日〜2月末日は8時〜17時で、最終入園は閉園30分前です。金沢駅からバスで約12分の「兼六園下・金沢城」で降り、桂坂口までは徒歩約5分。坂道や玉砂利の園路があるため、車いすを使う場合は公式のバリアフリー推奨コースを確認しましょう。
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兼六園・料金と開園時間
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兼六園・バスと入口の案内
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岡山後楽園は岡山駅からバス、徒歩でもアクセスできる
大人(15〜64歳、中高生を除く)は500円。3月20日〜9月30日は7時30分〜18時、10月1日〜3月19日は8時〜17時です。入園は閉園15分前まで。高校生以下は2027年3月31日まで無料で、高校生は生徒手帳などの提示が必要です。岡山駅から路線バスで10〜15分の「後楽園前」下車すぐ。駅から歩く場合は約25分です。
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後楽園・料金、開園時間、無料措置
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岡山後楽園・駅からのアクセス
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偕楽園は本園と好文亭の時間・料金を分けて確認する
本園は大人(義務教育諸学校の生徒を除く15歳以上)320円。2月中旬〜9月30日は6時〜19時、10月1日〜2月中旬は7時〜18時です。好文亭は別途大人230円で、9月30日までは9時〜17時、10月1日からは9時〜16時30分。入館は閉館15分前までです。梅まつり期間は本園の無料条件などが変わります。
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偕楽園・本園と好文亭の利用案内
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車で訪れる場合は、歩き始めたい入口に合わせて駐車場を選べます。偕楽園下駐車場は東門まで約250m、偕楽園表門前駐車場は表門まで約50mです。梅まつり期間は利用条件が変わるため、公式の駐車場案内を確認してください。好文亭は車いすで入館できないため、本園のバリアフリーマップと分けて調べる必要があります。
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偕楽園・入口別の駐車場とアクセス
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一つの景色を、記録と手仕事から見直す
庭の植物は毎年伸び、水路や建物は傷みます。昔の姿を伝える庭も、手を止めれば同じ景観ではいられません。雪吊りや剪定、被災後の復旧を知ると、目の前の庭が過去の造園と現在の手入れの両方でできていることが分かります。
兼六園デジタルアーカイブでは、古い写真や平面図を公開しています。訪問前後に一つの場所を選んで見比べれば、木の育ち方や道の配置、眺めの変化を調べられます。庭を歩いて生まれた疑問を、記録から確かめる楽しみ方です。
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兼六園デジタルアーカイブ
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見比べるときは、建物や池の輪郭を目印にすると同じ場所を探しやすくなります。たとえば霞ヶ池を選び、昔の写真と園内図を見比べてから歩いてみる。木の育ち方や道の配置を確かめることで、三名園の景色を支えてきた仕事にも目が向きます。
歴史を伝える資料や生きた植物を、どう残して公開するか。ミュージアムの役割や、季節の植物を観察する見方は、次の記事でも紹介しています。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
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