北海道博物館と開拓の村|自然・アイヌ文化・建物から、北海道を知る
北海道博物館と北海道開拓の村を、展示資料と建物の違いから紹介。アイヌ文化を現在から知る展示、旧札幌停車場や旧青山家漁家住宅の見方を案内します。
執筆 ペレログ編集部

目次
北海道の歴史を知る旅を、明治の開拓だけから始める必要はありません。自然の変化、先住民族であるアイヌの人びとの歩み、各地から移り住んだ人の暮らし。札幌の北海道博物館と北海道開拓の村では、異なる時間の長さと資料の大きさから、この土地を見ていくことができます。
北海道博物館では、自然・歴史・文化を展示資料からたどります。開拓の村では、明治から昭和初期の建物を歩き、部屋や仕事場の広さを自分の体と比べられます。近接する二施設でも、同じ内容を繰り返し見るわけではありません。先に博物館で背景を知り、次に建物の中で具体的な暮らしを考える順番が一つの方法です。
北海道博物館|北の端から、行き来する場所へ
総合展示のプロローグは「北と南の出会い」。マンモスゾウとナウマンゾウを入口に、北海道を北東アジアの交差点として捉えます。床の衛星写真や映像と合わせて眺めると、北海道を日本地図の端だけで考えていた見方を変えられます。
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北海道博物館|プロローグ「北と南の出会い」
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北海道博物館|展示を支える標本と模型
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アイヌ文化を、過去に閉じ込めずに見る
第2テーマ「アイヌ文化の世界」は、「現在を知る」「伝統を学ぶ」「ことばを聴く」「歩みをたどる」という構成です。展示で紹介される朝の札幌駅の写真は、アイヌの人びとも同じ社会の中で仕事や学校へ通い、現在を暮らしていることを伝えます。
伝統的な道具や住まいの展示を見ると、そこで示された過去の姿が、その民族の現在の暮らしでもあると思い込んでしまうことがあります。現在から始める構成は、そうした見方を問い直す手がかりです。道具を鑑賞するときも、「昔どのように使ったか」と「いま誰が文化を受け継ぎ伝えているか」を別の問いとして持ってみましょう。
館は、明治政府による開拓がアイヌの人びとの生活や文化に大きな打撃を与えたことと、歩みが現在へ続くことを説明しています。開拓の村で移住者の仕事や生活を見る際も、その発展だけで北海道全体の歴史を説明しきれないことを覚えておきたいところです。
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北海道博物館|アイヌ文化の世界
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開拓の村|建物の用途を、町・漁村・農村・山村で比べる
北海道開拓の村は、明治から昭和初期にかけて道内各地に建てられた建造物を移築復元・再現した野外博物館です。市街地群、漁村群、農村群、山村群に分かれ、住まいだけでなく新聞社、郵便局、学校、仕事場なども展示しています。
入口の旧札幌停車場は、1908年に建てられた駅の正面外観と形状を5分の4に縮小して再現した建物です。古い建物に見えることと、元の建物をそのまま移したことは同じではありません。各棟の説明にある「移築」「復元」「再現」の違いを確かめると、博物館がどのように過去を伝えているかにも目が向きます。
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北海道開拓の村|展示建造物と各エリア
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漁家の大きな家から、働く人の生活を考える
漁村群の旧青山家漁家住宅は、ニシン漁で事業を広げた青山家に関わる建物です。公式解説では、家族の生活空間と多数の働き手が暮らした空間が一つの建物の中にあり、区分されていたことを紹介しています。大きな建物を見た印象から、誰がどの場所で寝起きし、働いたのかへと問いを進められます。
入口や部屋の分かれ方を見ながら、同じ建物の中でも暮らしの条件が違ったことを考えてみてください。「昔の人はこう暮らした」と一つにまとめるのではなく、家族、経営する人、雇われる人という立場の違いを意識すると、建物から読み取る内容が具体的になります。
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北海道開拓の村|旧青山家漁家住宅の解説(簡体字)
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ほかの建物では、店の仕事場と住まい、役所と学校など、用途の違いを比べられます。気になった棟を二つ選び、旧所在地と使われた年代を記録してみましょう。移築された建物の並びを、一つの町の昔の姿と混同せず、それぞれの地域の資料が集められていると考えることが大切です。
二施設を一日で見るなら、見たい範囲を決める
北海道博物館の展示室と開拓の村の屋外では、歩き方が変わります。雨や風、暑さ・寒さの影響を受けやすいのは建物間を移動する開拓の村です。二施設とも全部を見ることを目標にせず、博物館では関心のあるテーマ、村では用途の違う数棟に絞ると、読む時間と休憩を残せます。
開館時間、季節ごとの営業、観覧料や共通券の条件は、出発前に両施設の公式案内で確認してください。共通券を使う場合も、対象になる展示を確かめます。交通機関の待ち時間や二施設の間の移動も含めて、帰りの便から逆算しておくと安心です。
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北海道博物館|利用案内・アクセス
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北海道開拓の村|開村状況・利用案内
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見終わったあとには、旅で見た建物や風景の印象も変わるかもしれません。札幌の駅、海辺の町、道端の木。その背景にある自然の歴史と人の営みを、二つのミュージアムで見た資料へつなげて考えられます。
地域の資料が研究や保存につながる過程、ほかの地域の歴史を見る方法については、次の記事でも扱っています。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
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