ツシマヤマネコの赤ちゃん、名前はどれに?福岡市動物園の投票から知る域外保全
福岡市動物園で2026年4月に生まれたツシマヤマネコの名前を選ぶ投票が始まりました。公開されていない赤ちゃんを、飼育と繁殖の記録から応援する方法を紹介します。
執筆 ペレログ編集部

目次
福岡市動物園で2026年4月25日に生まれたツシマヤマネコのメスに、名前を付ける投票が始まりました。候補は「なぎ」「みこ」「エミー」です。9月13日まで投票を受け付け、結果は10月8日の「ツシマヤマネコの日」に発表されます。
ただし、赤ちゃんや繁殖に関わる個体は一般公開されていません。会いに行って名前を選ぶ企画ではなく、園が届ける映像と繁殖の背景を知り、希少種をつなぐ仕事へ参加する投票です。
候補名の由来や投票方法は、福岡市動物園の案内で確認できます。
外部リンク
ツシマヤマネコの赤ちゃんの名前を投票で決定します
福岡市動物園の公式案内
zoo.city.fukuoka.lg.jp / 外部サイトへ移動します
見せないことも、繁殖を支える判断
赤ちゃんをすぐ展示しないのは、来園者から遠ざけるためではありません。親子が落ち着いて過ごせる環境を保ち、繁殖計画と健康管理を優先するためです。来園者はZooLabのライブ映像などを通して、個体の様子を見守ることができます。
希少動物の飼育では、展示のしやすさだけでなく、個体同士の相性、血統、移動時期、繁殖に適した環境を複数の施設で調整します。一頭の誕生は、その園だけの出来事ではなく、種全体を将来へつなぐ計画の一部です。
福岡で積み重ねた、約30年の飼育
福岡市動物園は1996年にツシマヤマネコの飼育を始め、1999年から繁殖事業に参加しました。2000年には初めて繁殖に成功しています。今回の赤ちゃんを含め、同園で生まれた個体は63頭。国内の飼育下繁殖の約7割を担ってきました。
2026年9月時点で、園は7頭を飼育しています。担当者が得た出産、授乳、成長、疾病管理の記録は、ほかの施設での飼育や、将来の野生復帰を検討する際の知見になります。
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生息地は対馬だけ。回復の兆しと危機が同居する
ツシマヤマネコは、野生では長崎県対馬だけに暮らします。森林や田畑、水辺を行き来して小動物を捕らえますが、道路による生息地の分断、交通事故、イエネコからの病気などが存続を脅かしてきました。
環境省の第6次生息状況調査では、分布や個体数に回復の傾向が示されました。それでも絶滅のおそれが極めて高い状況は変わりません。野生の環境を守る生息域内保全と、動物園で個体群を支える生息域外保全の両方が必要です。
外部リンク
ツシマヤマネコ保護増殖事業
環境省の種別解説
www.env.go.jp / 外部サイトへ移動します
名前を覚えることから、保全を自分事にする
投票は短いイベントですが、名前が決まった後も赤ちゃんの成長と種の未来は続きます。結果だけでなく、園の繁殖報告や対馬での保全活動も追うと、一票の先にある仕事が見えてきます。
訪問時は、赤ちゃんを直接見られるとは限らないことを理解し、公開中の個体や映像、解説から学びましょう。グッズ購入や園への再訪、公式情報の共有も、保全への関心を長く保つ方法です。
この記事を書いた人
ペレログ編集部
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